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FASEB Summer Research Conference 2012に参加

2012年08月06日

7月29日〜8月3日に米国バーモント州サクストンズリバーで開かれたFASEB Summer Research Conference “Protein Folding in the Cell”に、D3の堀本君と行ってきました。猛暑の日本とは違い心地よい気候で、暑いと思った時間はわずかでした。昨年同様、サンフランシスコ経由でボストンのホテルに着いたのは夜中の12時頃でしたが、サンフランシスコからボストンまでの飛行機の中でよく眠れたので、翌日朝からボストン美術館へ行き、さらにボストンレッドソックスの本拠地フェンウェイパークにも足を伸ばしてから、2時半ボストン空港発のバスで3時間ゆられてやっと会場にたどり着きました。

MFA Fenway

昨年の ”From unfolded proteins in the ER to disease” よりずっと広く分野をカバーしていて参加者も多く、初日 (日曜日) のHartl (昨年のラスカー賞受賞者) の基調講演から始まって、熱の入った発表と議論が続きました。月曜日から水曜日までは朝9時から昼の1時前までの口頭発表、昼食と休憩の後4時から6時までポスター発表、1時間の夕食後、7時から10時半頃まで口頭発表とハードスケジュールでした。午後の休憩中に昼寝してしまうと夜寝られないので (時差13時間で、昼夜完全に逆転です)、学部の前期試験の採点をして過ごしましたので、結果的にかなり疲れました。行き帰りの機中や搭乗待ち時間と合わせて、分子生物学・細胞生物学・細胞内情報発信学・大学院の特論の採点を終えることができました。あとは生命現象の生物物理学のみです。それにしても前期の講義負担は重いなあと思ってしまいます。高校・大学の寄宿舎に泊まるのでテレビなぞ勿論なくロンドンオリンピックの結果をネットで垣間みるだけなのがちょっと残念でしたが、なでしこも男子も準決勝進出なので帰国後を楽しみにしていました。

木曜日は午前の口頭発表の後、夜7時からの口頭発表までは自由時間でしたが、私の発表がこの日の夜の最後でしたので、発表の準備とイメージトレーニングを兼ねた休息に当てました。私の発表は3本だて、1つ目は ATF6 のエスコートタンパク質 (7月4日のブログ参照) について、2つ目に ATF6 が ERAD の内在性基質として面白い挙動を示すこと、3つ目がメダカを用いた ATF6α/β ダブルノックアウトの解析です。軽いジョークにもまあまあの反応があり、順調に進んでいたのですが、私の持ち時間は30分のはずなのに、いつの間にかタイマーが黄色に変わり、変だなあと思いながら少し早口で話していると、まだスライドの終わりまでは5分以上もかかるのに遂には座長が終われと言わんばかりに近づいてくるではないですが。何でだろうと訝りながらとにかく最後の1つ前のスライドまでは話して終えました。後で座長が謝りにきたのですが、彼女は私の講演が持ち時間15分の short talk と勘違いしていたのでした。彼女はこの meeting に初めて来たので私の立ち位置を全く理解していなかったようですが、嘗められているというかなんと言うか。しかしながら私の方も勘違いに気づくべきでした。欧米人なら、"Something is wrong with this timer" と言って修正を求めたでしょうね。まだ修行が足りません。

講演内容はとても好評だったようです。京産大の森戸君が「夜のセッションの一番最後でパーティの直前なのに、みんな本気聞こうとしているのがひしひしと伝わってきました。」と言ってくれたし、この分野の超大物の Suzan Lindquist (あの美空ひばりさんのような大物感を身にまとっています) も ”Lovely talk, Kazutoshi” と言ってくれました。

間違いに気づいていない座長は質疑応答も2つしかさせてくれなかったのですが、1人目の質問者 Randy Hampton が ERAD に関する質問の後でメダカについて”How big is it?”と聞いてきたので、”Too small to make shushi for a party” と答えたら大爆笑が起こりました。このジョーク、メダカの話をすると Peter Walter や Rick Morimoto が寿司作れとか言ってからかってくるので、ずっと暖めていたもので、この日も最後のスライドで今後の計画を話してからこの一発で締めくくるはずでした。生涯最高の大当たりかもしれない、まさにカイカーンの大爆笑、”Thank you, Randy, for your nice assist” でした。

dinner この日の夕食は恒例のロブスター、今年もいただきました。講演後はダンスパーティでしたが、ロックの騒音に入っていけず、今年は眺めているだけでした。金曜日午前中で conference は終了、ボストンに戻ってサンフランシスコ行きの飛行機に乗る予定だったのですが、夏の金曜日午後で休暇にみな向かうためか道路が大渋滞。間に合うかどうかハラハラして、やっと間に合ったと思ったら飛行機が遅れに遅れ、結局5時間以上も遅れて出発し、サンフランシスコのホテルに着いたのは夜中の3時頃でした。この時期ホテル代が高くて、一番安いところを選んだら (それでも高いですが) やっぱり怖そうなところで、夜中も喧嘩声や救急車等の騒音がひどくてあまり眠れませんでした。朝7時になってかなり明るくなってから朝食を兼ねてちょっとだけ散歩してから空港に向かい、1時間遅れの出発で関空に帰ってきました。1つ幸運だったのは、帰りの飛行機で隣に座っていた大柄な外国人夫妻が多分通路側の席を求めて移動したために隣の2席が空き、3人分の席を使って横になって何時間か爆睡できたことです。これを機に、最近逆風が吹いている状況の潮目が変わり、順風になればいいなあと思っています。この夏も論文書きに励みます。

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