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「細胞の中の分子生物学」第5刷と新学術領域研究
毎日無茶苦茶に暑いですね。おまけにスコールのような土砂降りまで。体にこたえますね。皆様、暑中お見舞い申し上げます。
拙著「細胞の中の分子生物学」第5刷 1,000 部が刊行されることになりました。これで合計 17,000 部です。読まれ続けていることはやっぱり嬉しいですね。
更に、新学術領域研究「細胞機能を司るオルガネラ・ゾーンの解読」(領域代表・清水重臣・東京医科歯科大学教授) が採択され、8月4日東京医科歯科大で第1回総括班会議が開催されました。
日本には、個人としてだけでなく、グループとして申請する研究費があります。これが重点領域とか特定領域とか言われていたときには、タンパク質やオルガネラの研究はよくサポートされていたのですが、新学術領域研究と名前が変わって「新しさ」が求められるようになると、オルガネラ研究はずっと前から行われている古い研究だと審査員に思われてしまい、「オートファジー」以外、誰がどんな組み合わせで挑戦しても跳ね返され続けて来ました。私も過去5年間、領域代表として3回、計画研究の代表として2回挑戦しましたが、いずれも不採択でした。
小胞体やゴルジ体といったオルガネラの内部はこれまで均質と捉えられていましたが、今回の申請では、異なる役割を持つゾーン (和訳は局域) の集合体であるという新しい概念でオルガネラを捉えようとするところが極めて高く評価され、オルガネラ業界の悲願達成となりました。
グループ研究費では年に1回班会議が開催され、これが若手研究者や大学院生に大きな刺激になります。大きな学会でポスター発表しても、教授達はなかなか見に来てくれませんが、班会議でポスター発表すれば教授達が聞きに来て熱く議論してくれるのです。今年を含めて5年間サポートされますので、今後の研究の発展と若手の成長が楽しみです。勿論、私も頑張ります。