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Cell Stress Society International in China - real part2
ブログの続き:それから8時間近く歩き回り、最終的にホテルに戻ったのは、午後4時頃でした。足が棒の様になり、有料のフットマッサージをしてもらいましたが、しばらく足は痛みました。
黄山を訪れる人の90%以上が中国人のようで、案内板はわかりにくく、券売所の人まで英語を話せないので、結構苦労しました。山の中にも2カ所ケーブルカーが走っているので両方乗ろうと思い、1つ目を往復でクリアーした後、2つ目に乗ったと思って降りてみたら、最初に乗ったケーブルカーの逆向きで、出発地に戻ってしましました。また、上りに乗って山上に戻り、悔しいので意地になって2つ目のケーブルカーを目指しました。途中、光明頂という最高点(海抜1,860 m)にたどり着きました。
さらに1 km 程歩くと、ついに目的地到着。ケーブルカーではなく、斜度34度という急勾配を下るモノレールに乗って一気に下りました。そのモノレールの中から見た景色が一番良かったのかもしれません。モノレールの中から雨中の写真なので、わかりにくいと思いますが。天気がよかったら、きっと素晴らしい景色なのだと思います。逆向きのモノレールで戻りましたが、人でいっぱいで雨も強く、帰りは何も見えませんでした。
それにしても、こんな山奥に4本(1つは遠すぎてあきらめました)もの乗り物を通すなんて、自然をねじむせるかのような中国のパワーを感じました。
昼食もそこそこに7時間以上歩き回りましたので、本当に疲れました。温度は結構低いのですが、汗びっしょりでした。でも最近、総説と原著論文のリバイズで頭が煮詰まっていましたので、頭を空っぽにすることができ、よい気分転換になりました。総説の方はこちらに来る前にアクセプトになっていたのですが、蜷川君の論文が発表(水曜日)の朝アクセプトになりました。内容は発刊されたときにご報告します。お楽しみに。
最後に、帰国前に訪れた老街の写真をアップします。
Cell Stress Society International in China - part2
Cell Stress Society International in China
9月15日(火)〜19日(土)に開催された Cell Stress Society International 主催の国際学会 “VIIth International Congress on Stress Response in Biology and Medicine: Stress and Health” から特別講演の招待を受けましたので、中国の黄山(上海から内陸部に入ったところ、飛行機は北京経緯でしたが)に行ってきました。「黄山を見ずして山を見たと言うなかれ」という諺があるくらいの名所ですので、1日早く行って(日曜日夜遅くに到着)、月曜日を休暇にして黄山内を歩き回ってきました。その報告は後で。
火曜日に山から降りてきて、比較的豪華なホテルに着いてまず驚いたことは、メールを見ることができないことです。山の上では、スピードが遅くても見ることはできていたのです。色々とやってもらっている内に見えるようになりましたが、やはり規制があるのでしょうね。
その日の夜、黄山の市長が主催する晩餐会に招待されました。香港での晩餐会で、そのボリュームに圧倒されましたので、今回も美味しかったのですが、抑え目に食事をいただきました。実は昼食もこのホテルの中華レストランでとって、チャーハンを頼んだら、それほど高くはなかったのですが、大皿で出てきましたので、それ程お腹もすいていませんでした。
ここでは、赤ワインがメインのお酒でしたので、白ワインも欲しいといったら、出てきたのは何とテキーラの様なリカーでした。これは白ワインではないといったら、日本ではそうなのと言い返してくるので、中国以外では、赤色を付けていないのが白ワインだと説明しても通じなかった様です。もう一つ驚いたことは、テーブルを囲んだ出席者が入れ替わり立ち替わりやってきて、赤ワインで乾杯をすること(本当に飲み干す)です。みんなそうしていて、酔わないようするためか、ミルクを一緒に頼んでいる人が何人もいました。水ではなく、ミルクを飲みながら赤ワインを飲む人を初めて見ました。ちょっとビックリです。
水曜日の午後一番で講演を行いましたが 、その前にサプライズ。この学会からメダル(学会賞)をいただきました。2000年の創設以降、私が7人目という栄誉あるもので、特に嬉しかったことは、第1回受賞者が恩師である由良隆先生であったことです。ラスカー賞効果なのですが、本当にありがたいことです。
講演では、小胞体ストレス応答の一から始めて最新の未発表データまでお話ししました。未発表と言うのは、13期生の遠山君が作出して解析したBBF2H7 のノックアウトメダカのことで、14期生の中村さん、15期生の玉田君と引き継いで、さらに石川助教が乗り出して最近やっと論文として纏まりそうになっている仕事です。詳細は書けませんが、小胞体ストレスの実体は、場面局面によって異なり、その時々で最も適切な小胞体ストレスセンサーが活性化されていることを示しました。私が、化学物質(ツニカマイシン、タプシガルジン、ジチオスレイトール等)を使って小胞体ストレスを誘導することに本当に意味があるのだろうかと疑問に思って開始したメダカの研究で、目指していたところまで行けたという、自分では納得の成果です。論文になったときに詳細をご報告いたします。受けはとても良かったと思います。
その夜の6時からはバンケットでした。食事は良かったのですが、白ワインと称する例のリカーが出て来て、何度も乾杯させられましたので、酔っぱらってしまって、夜8時からの老街(宋や明清時代の町並みが残されている地区)ツアーに参加できなかったのが残念でしたが、楽しいひとときでした。
黄山の話に戻りましょう。日曜日の夜8時過ぎに空港について(北京から2時間、日本との時差は1時間です)、黄山の麓のホテルまでタクシーでいくらかと尋ねたら、260元(5千円位)というので、ぼられているのかと思いましたが、仕方ありません。乗ると、高速道路を小一時間も走ってホテルに到着しましたので、夜だし妥当な額かなと納得しました。
9月はシーズン中でケーブルカーがとても混むとガイドブックに書いてあったので、ホテル近くの発着所から出発するバスの始発便(6時半発)に乗りました。15分ほどで麓に着き、ケーブルカーに乗ると一気に山の上に到達しました。
あいにくと小雨で、雨はだんだんと強くなっていったのですが、ウィンドブレーカーで雨をしのぎながら一日中歩きました。各地にいろんな見所があり(といっても山と松だけで、さほど変化はありませんでした)、あちこち見ながらこの日の夜に宿泊する山中のホテルを目指しました。
道はよく整備された石段と石の道路でしたが、トンネルはなく、かなり急な坂道を登っては降りる、の繰り返しです。ホテルに着いて、朝食をとりメールチェックを済ませてもまだ8時過ぎでした。今日はこれ以上写真をアップできないようですので、続きは後日。大村先生(大村先生のガードナー賞授賞祝賀会でお会いしました)、ノーベル賞ご受賞、誠におめでとうございます。