Blog
FASEB Summer Research Conference 2015
6月14日(日)〜19日(金)にボストン郊外(バーモント州、サクストンズリバー)で開催されたFASEB Summer Research Conference “From unfolded proteins in the ER to disease”に出席してきました。
6月13日(土)に今回初めてエアカナダで、伊丹→成田→トロント→ボストンと飛びました。カナダ経由ですが、カナダ入国の手続きは必要なく、スムーズに米国に入ることができると聞いたからです。成田を夕方の5時に出発するので(実際は1時間遅れましたが)、飛行機の中で結構よく眠れました。トランジットの時間も短く、自宅を出てから22時間後(土曜日夜)にボストン空港に到着しました。ただし、同行した石川助教とD3の山口君は、コンピュータの故障のためボストン空港で受け取るはずの荷物をトロントで受け取って再度預けなければならず、出発時刻ぎりぎりに走って搭乗口に着くというハプニングがありました。着いた日の夜も結構眠れましたが、やはり13時間の時差はきつく、体はしんどかったです。
会場行きのチャーターバスは日曜日の午後2時半にボストン空港を出発しますので、午前中はボストン美術館を訪れて、絵画を堪能しました。そのときの特集は何と、葛飾北斎で、富嶽三十六景を始めとして実に多数の作品が展示されていました。こんなにいっぺんに見るのは初めてでしたが、北斎に魅せられた米国人が、医者になる夢をあきらめて収集しただけのことはあり、いろんなジャンルの作品が並べられていましたし、説明文にスーパースターとの記述もあり、「睡蓮」で有名なモネが影響を受けて描いた「ラ・ジャポネーズ」がボストン美術館には常時展示されているので、その影響力の大きさがよくわかりました。個人的には、天照大神が隠れた「天岩戸隠れ」を北斎が描いているのを知ることができたのも面白かったです(卑弥呼には興味があるので)。
日曜日夜から始まったミーティングは元々UPRが中心だったはずですが、今回はtranslocationから始まり、私のセッションは”Other systems and stress”とくくられていて、なんか変な感じがしました。私は、メダカの発生過程における小胞体ストレスセンサーATF6、IRE1、BBF2H7の役割を話しました。発生過程で生ずる生理的な小胞体ストレスの中身は場面、局面によって異なり、その際に最適な小胞体ストレスセンサーが活性化されることを示すことができ、好評(私達しか行っていない方向性のものなので)だったようです。Wayneはinformativeと言ってくれました。
私が1990年代に酵母の小胞体ストレス応答がIRE1-HAC1経路からなることを証明したのを受けて、酵母を使って寿命(エイジング)やハンチントン病の解析がなされていたり、ATF6やXBP1を使って病気の解明や治療に向けた試みがなされていることに感慨深いものがありました。
石川助教と山口君のポスター発表は、月曜日と水曜日の午後4〜6時で、結構つきあいましたが、残念ながらポスター賞(3つ)には届きませんでした。
最終日には恒例のロブスター夕食とダンスパーティです。1匹丸ごと堪能した上にステーキまで付いていました。今回は、プロの歌手(写真のように刺青だらけですが、カナダ人らしい)が来て、特徴のある声で歌ってくれましたので楽しめました。
金曜日朝に会場をバスで出発し、空港に昼頃着きましたので、半日観光しました。ボストン科学博物館へ行き、写真に写っているボストン名物の水陸両用車に乗って市内観光からチャールズ川へ。川から眺めるボストンも良いものでした。マーケットに寄って翌日用のバナナを買ったり、オイスターをいただいたりした後に港へ行き、つかの間のボストンを楽しみました。