2nd CSSI (Cell Stress Society International) meeting

2005年09月28日

2005年9月24日から28日までPortugal (Tomar)で開催された2nd CSSI (Cell Stress Society International) meeting International Congress on Stress responses in Biology and Medicineに参加した小田さんより

今回で2回目となるCSSIミーティングは、ポルトガルの片田舎トマールで行われました。首都リスボンからバスで田舎道をえんえんと走り、(道中、どんな僻地へ連れて行かれるのかとちょっと不安になりましたが)北上すること2時間、世界遺産に登録されているキリスト教修道院を持つ、小さな村に到着しました。私にとって初の国際学会参加、それに今回はポスター発表という任務もあって、やや興奮気味で学会に臨みました。

なるほど、村は学会が開催されるだけのことはあって、非常に美しく、散歩するには事欠かない良い所でした。肝心の学会の方はというと、種々のストレス応答から臨床的な内容まで、幅広い構成でした。セッションによっては夜中24時過ぎても開催されていたのもあったらしく、参加者の熱心な姿勢が伺えます(学会運営は極めてルーズでした。時間を守らない講演者続出−注by森)。私個人的な意見としては、森研のテーマである小胞体がらみのシンポジウムが少なかったのが残念なところですが、普段は聞く機会の少ない他のストレス応答に関してよく勉強させていただきました。学会の空き時間に世界遺産の修道院(今ではほぼ城壁のみ)に登ると村が一望でき、すばらしい景観に(学会に来ながらこんなことができるんだという)幸せを感じました。

ここでポルトガル滞在中生まれた、森先生による格言を紹介させていただきます。

まず一つ目。「不安がなくなれば不満が出てくる」

企業等に就職せずに、大学で研究して生きて行くことは、言うまでもなく不安なことです。それは、そこには道がなく、自分で道を切り開いていくしかないからです。しかし、例えば誰かに自分の一生を保証してもらうとその人の許容範囲内でしか行動できず、そうなると必ず不満がたまってくる。一度しかない自分の人生、あなたはどちらを選びますか−自分に賭けないままでいいですか?
そして二つ目。「大きな野望と小さな幸せ」

森先生は、よくおっしゃいます。「サイエンスの世界で生きていくには、顔と名前と研究内容を一致して覚えてもらえるようにならないといけない」と。そこまで到達するのは人並みではできませんので、大きな野望を持って研究しろ、ということです。しかし現実的には、野望を持って日常の実験するのはなかなか困難で、正直なところ息苦しくなるときもあります。そんなとき、来年の海外学会の参加を目指そう、と思うとそれは現実的な楽しみになり、参加できると小さなご褒美感、幸せ感に浸れる、という訳です。

森先生のおかげで初の国際学会参加を経験させていただきました。心より感謝いたします。