研究内容
タンパク質の品質管理とは?
真核細胞において、分泌タンパク質や膜タンパク質(以後分泌系タンパク質と総称する)は小胞体に結合したリボゾームで合成され、小胞体を経由してゴルジ装置、リソソーム、細胞表面などの最終目的地へ輸送されます(右図)。細胞が産生する全タンパク質の約1/3は小胞体を通過するといわれており、このような経路で合成・分泌輸送されるさまざまなタンパク質が、それぞれに課せられた機能や酵素活性などを最大限に発揮するためには、正しい立体構造を獲得していることが必 要不可欠です。
分泌系タンパク質のフォールディングは小胞体内で行われ、小胞体内できちんとした立体構造を形成したもののみが選別されて、ゴルジ装置以降の分泌経路に進むことはよく知ら れています。つまり、小胞体における分泌タンパク質のフォールディングは品質管理機構と連携していて、いうなれば誤った高次構造をとったタンパク質 (不良品) は決して市場に出さないようにきわめて厳密な管理がなされているのです。私たちの研究室では、この厳格かつ巧妙でしかもとても 面白い品質管理機構の仕組みについて研究
を行っています。