研究内容

森研究員    生化学会奨励賞受賞

HSP研究所主任研究員の森和俊氏が「小胞体から核への細胞内情報伝達機構 Unfolded Protein-Response の解析」で日本生化学会奨励賞を受賞しました。

吉田研究員   生化学会奨励賞受賞

さきがけ研究員の吉田秀郎氏が「高等動物の小胞体ストレス応答の分子機構」で日本生化学会奨励賞を受賞しました。

森教授  2005   ワイリー賞受賞

ワイリー賞 ワイリー賞 森教授は第4回ワイリー賞を受賞しました!

http://www.wiley.com/legacy/wileyfoundation/

前女性:ワイリー会長、右女性:スタイツ教授、 右男性:ウオルター教授、後男性:ブローベル教授           平成17年   1月26日ニュージャージー州ホボケン市において、ワイリー財団会長であり、1807年創業の出版社「ジョン・ワイリーと息子達」の副社長であるデボラ・ワイリー氏は、第4回ワイリー医学生物科学賞の受賞者を発表した。
「第4回ワイリー医学生物科学賞が、ピーター・ウオルター博士(ハワード・ヒューズ医学研究所研究員兼カリフォルニア大学サンフランシスコ校教授・生化学生物物理学科長)と森和俊博士(京都大学大学院理学研究科生物物理学教室教授)に贈られますことを謹んで発表します。この名誉の一部として、ウオルター博士と森博士は平成17年4月8日にニューヨーク市のロックフェラー大学で受賞講演を行うよう招聘されました。」

ワイリー賞 「本年のワイリー賞は、正しい高次構造をとった分泌タンパク質を産生することができるように細胞が、自らの細胞内小器官の能力を調節するという全く新しい経路をウオルター博士と森博士が発見したことに対して贈られた」とワイリー賞の選考委員会議長であるグンター・ブローベル博士は述べた。ロックフェラー大学細胞生物学科教授であるブローベル博士は1999年のノーベル医学生理学賞受賞者である。他に、カリフォルニア工科大学の発生神経学者デイビッド・アンダーソン博士、コロンビア大学の生理学者カイス・アルアカティ博士、エール大学の分子生物学者ジョアン・スタイツ博士が選考委員を務めた。

全ての細胞は、自らが分泌し、また細胞表面に提示するタンパク質が正しく構成され機能的であるよう万全を尽くさなければならない。 'Unfolded Protein Response'と呼ばれる細胞内情報伝達機構に関する先駆的な仕事により、森博士とウオルター博士は、細胞が、自らが持つタンパク質の高次構造形成能力と品質管理能力を必要に応じて調節するための分子機構を明らかにした。彼らの業績は、どのようにして細胞は細胞内小器官の分量を正しく保つのかという基本的な疑問に対する答えを出しただけでなく、特殊な細胞型の分化あるいはタンパク質の折り畳み異常病や癌などを含む様々な病気の発症に対する我々の理解にも貢献している。

ワイリー医学生物科学賞は、新しい研究分野開拓への貢献、もしくは、ある特定の医学生物学的原理における新しい概念創出や応用方法開発への貢献を顕彰するため創設された。この賞は、顕著なリーダーシップと革新を証明し得る一つの明確な貢献もしくは一連の貢献を賛えるものである。賞金として総額2万5千ドルが贈られ、授賞式の場であるロックフェラー大学において公開形式の講演を行なう機会が与えられる。

授賞式

授賞式の写真はギャラリーでご覧ください。

過去の受賞者

第1回(2002年度)アポトーシスの分子遺伝学的解析
ロバート・ホルヴィッツ博士(マサチューセッツ工科大学)
スタンレー・コルスメヤー博士(ダナ・ファーバー癌研究所)

第2回(2003年度)Small interfering RNAs (siRNA) の発見
アンドリュー・ファイアー博士(ジョンズ・ホプキンス大学)
クレイグ・メロー博士(マサチューセッツ大学医学部)
トーマス・タシュル博士(ロックフェラー大学)
デイビッド・ボールコム博士(英国サインスベリー研究所)

第3回(2004度)転写制御におけるヒストン修飾の発見
デイビッド・アリス博士(ロックフェラー大学)

と錚々たる顔ぶれが並ぶ。特に、第1回のホルヴィッツ博士は、受賞後その年にノーベル医学生理学賞を受賞した(と言うことは、もしかして・・・???)。

裏話

平成16年11月25日(木)、いつものように出勤すると、
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Dear Dr. Mori,

I would very much like to speak to you on the phone. Could you please give me your home and lab number and tell me what would be a good time to call you?

Thank you!

Best regards,
Guenter Blobel
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という電子メールが届いており、何かまずいことしたかなあ、と訝りながら取り敢えず返信したところ、一日間を挟んで土曜日の朝9時頃ブローベル博士から電話がかかってきました(その日は私がJournal Clubの担当日で、いつもよりかなり朝早くラボに行って詰めの作業をしていたので、幸運にも受けることができました)。手短な挨拶の後、ホニャララ賞の受賞者にピーター・ウオルターとあなたが決まった、おめでとうと言われ、ホニャララ賞の説明を受けました。当時の私は、ワイリー賞というものの存在すら知らなかったので、何賞と言っているのかは聞き取れなかったけど、比較的最近創設された賞で、最初の受賞者のホルヴィッツ博士はその後すぐノーベル賞をもらったとか、次の受賞者がsiRNAの発見者達で、その年の受賞者がヒストン・コードの発見者であると言うことはわかったので、凄い賞だというのは理解しました。来年の4月8日にニューヨークのロックフェラー大学で授賞式と受賞講演を行なうけど来ることができるかと聞かれたので、勿論行きますと言って電話を切りました。

内心は興奮していたけど、10時から私のJournal Clubの発表とラボメンバーのProgress Reportsをこなした後(当時は土曜日朝10時からセミナーをやっていました)、若い方から順番にグンター・ブローベルって何をした人か知っているかと聞くとマスター以下は全滅。ドクターの学生になってやっとシグナル説がでてきましたので、実は今朝そのノーベル賞受賞者から直接電話があって、ホニャララ賞をくれると言われたと電話内容を伝えると、皆喜んでくれました。

UPRの重要性が世界的に認められ、私および吉田氏を中心としたラボの貢献を高く評価してくれたことを素直に喜びたいと思います。

森教授  2006   生化学会柿内賞受賞

森先生が「小胞体の恒常性を維持する応答機構の解析」で日本生化学会より第1回柿内三郎記念賞を授けられました 。

本賞は、 1925年に日本生化学会を創立された柿内先生を記念して、生化学の研究分野で優れた研究業績を挙げた50歳未満の会員に贈られる名誉あるものです。

柿内三郎記念賞

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