研究内容

森教授  2014  ショウ賞生命科学・医学部門受賞

5月27日(火)2限目の細胞生物学の講義が終わって部屋に戻ると e-mail と FAX が届いていて、開けて見るとショウ賞財団からで、貴方と Peter Walter が 2014年のショウ賞生命科学・医学部門の受賞者に決まったと書いてありビックリ。

ショウ賞の存在すら知らなかったのですが、香港のメディア王であったRun Run Shaw (邵逸夫) 氏が 95歳の時に (2002年) ショウ賞財団を設立し、2004年から天文学、生命科学・医学、数学の3部門で顕著な業績を上げた現役の研究者に贈られている国際的な賞でした。邵氏は本年1月7日に107歳で亡くなられたという驚異の方です。

授賞式は9月24日(水)に香港で行われますが、23日(火)の夜に歓迎の夕食会があり、25日(木)に香港大学で受賞講演をし、香港科学博物館で26日(金)に開かれるパブリックフォーラムにも参加して欲しいと書かれていました。香港は初めてなので楽しみにしていましたが、そこにたどり着くまでにいろんな用務をこなさなければなりませんでした。まず 800 英単語の自叙伝作成(ホームページ用、最初研究についてだけ書いたら、もっと個人的なことも書けと突っ返されました)、授賞式やテレビで放映するためのビデオ撮影(香港のクルー3人が京都までやってきて7月23日24日の2日間かけて大学、研究室、祇園祭、自宅、少年剣道などの様々な場面を撮影していきました、恩師の川嵜先生と由良先生にもご登場いただきました、撮影前後の質問攻めにも対応しなければなりませんでした)、さらに 3000 英単語の自叙伝作成(本出版用)、受賞講演の原稿作成(本出版用)など結構大変でした。

香港へ行ってみると、財団の方々は例外なく良い人たちで、気持ちよく過ごすことができました。食べ物も本当に美味しいのですが、量が半端なく多くて、23日(火)夜の歓迎会ではお腹がはち切れんばかりとなり、途中から降参してしまいました。宿泊先はGrand Hyattという高級ホテルで、授賞式会場である香港会議展覧中心(1997年7月1日に香港返還式典が行われたところ)のすぐそばにあり、 窓からは海が見え、部屋の真ん中にバスタブがあるという豪華な施設でした。

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授賞式はまさにテレビの世界でした。1時間半くらいかけてのリハーサルがあり、10人着席する円卓が50個ある会場では、テレビ番組のアナウンサーかキャスターとおぼしき中年女性と俳優とおぼしき若手のイケメンが司会を務め、まずその会場に行進入場(マーチイン)するところから始まるという仰々しさでした。

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次に3部門受賞者の受賞理由説明がなされ、私と Peter の映像が大画面に映されています。

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プレゼンターは何と、香港特別行政区行政長官の梁振英氏 (デモ隊が辞めろと叫んでいた方) でした。長官はご夫妻で1時間以上この式典に出席されましたが、こんなことは珍しいそうで、それだけ香港にとってショウ賞が特別なものであるようです。

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短い受賞スピーチをしたらお役目終了。背中でクルーがとった実験風景が流れていたようです。あとは食事と、クルーが撮って編集した全受賞者紹介ビデオを楽しみました。

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香港は近代的なところと古いところの両方が見られる活気ある町でした。また訪れたいと思っています。露天で果物や肉は常温で売られ、角切りされた肉を客が素手で触ってより分けているとことを見てびっくり。

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左下の写真で、線路の上を人が歩いていますが、この線路本物で、時々列車は人を押しのけながら運行しています。香港の岩盤は固いそうで、高層のマンションが林立。夜景もきれいでした。

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