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CREST シンポジウム

2013年02月03日

 

戦略的創造研究推進事業(通称CREST)「精神・神経疾患の分子病態理解に基づく診断・治療へ向けた新技術の創出」領域に採択され、平成19年秋に始まった研究課題「パーキンソン病遺伝子ネットワーク解明と新規治療戦略」が今年度末に終了しますので、代表の高橋良輔京都大学大学院医学研究科教授が公開シンポジウムで成果を発表されました。一般の方も参加されるので、わかりやすい発表が求められ、最初のお二方はアルツハイマー病についてかなりわかりやすくお話しされていましたが、高橋代表のはちょっと専門用語が多すぎたかもしれませんし、最後のお二人のは学会発表のようになっていました。一般向けにお話しするのはやはり難しいですね。

課題達成に向けて努力したつもりでしたが、残念だったのは、高橋さんが作出したトランスジェニックマウスとうちで作出したATF6αノックアウトマウスを掛け合わせたら、パーキンソン病のモデルマウスができると思っていたのに、実際にはそうはならなかったことです。ツニカマイシンなどの薬物で急性に小胞体ストレスを惹起した場合は、ほとんどATF6αだけで対応しているように見えるのですが、パーキンソン病発症にかかわるような長期的な小胞体ストレスに対してはATF6αだけでなくATF6βも対応するため、ATF6αノックアウトだけでは十分な効果が出ないのでした。このことは、メダカを用いて実証できました(もうすぐ論文になると思います)。やはり生体が持つ防御機構は奥が深く、ちょっとやそっとでは破綻しません。ATF6αとATF6βのダブルノックアウトマウスは生まれる前に死んでしまいますので、ドーパミン神経のみでATF6αとATF6βをダブルノックアウトすることが必要になります。いきなりマウスでは時間とお金がかかりすぎますので、メダカで挑戦していくつもりです。しかしながら、高橋さんはメダカを用いて非常に面白い結果を多数得られましたし、パーキンソン病のモデルメダカの作出にも成功されました。今後も病気の理解と治療戦略確立へ向けた努力は続きます。

honganji2 公開シンポジウムは、築地の浜離宮朝日ホールで行われました。築地は初めてでしたし、開会が午後2時からと遅かったので、昼頃近くを散歩しました。築地本願寺はイスラム教のモスクかと見まごう造りでちょっとびっくりでした。

honganji1 その辺りに築地場外市場があり、狭い路地が観光客でとても賑わっていました。そのホームページに掲載されていた創業四百年のお寿司屋さんに入ってみるとこれが初体験の江戸前寿司でした。赤酢のすし米が口の中でほろっと溶けネタにはそれぞれ軽く味付けがされているのでお醤油なしで食べられ、絶品でした。お任せ10貫とあらのお味噌汁に大満足。あまりにおいしかったので、公開シンポジウム終了後の懇親会の後、2次会に誘ったら、一緒に行った高橋さんを含む8人もみんな本当においしいと絶賛。昼食時にお酒をいただくことはできませんでしたので、その分も合わせて、楽しーく飲み語りあうことができました(お店の名前はメールくれたら教えます)。


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